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米国に忍び寄るメラミンの影 (上)

2010年02月20日

【新唐人2008年1228日放送】

司会者:みなさん、こんにちは。ご存じのとおり、メラミンは中国の粉ミルク、牛乳やヨーグルトからも検出されました。中国産メラミンの汚染報道は世界で尽きません。では、中国の粉ミルクや中国系スーパーとも接点のない、普通のアメリカ人にとって、このメラミン騒動は無縁なのでしょうか?答えは「ノー」です。事実、中国メラミンの汚染範囲は、中米両国政府の公表をはるかに超えます。しかも、アメリカ人のこれへの自衛能力はショッキングなものです。  

どのスーパーでも買えるクリームクッキーやチョコビスケット、キャンデー。これらには、アメリカの販売メーカーやメイド・イン・アメリカと表示されています。でも、完全なアメリカ製品とは言い切れません。アメリカの法律には、食品成分の生産地を表示する義務がありません。多くの食品は中国製成分を含むかもしれませんが、消費者には分かりません。例えば、アメリカにとって中国は、乳清の最大輸出国。アメリカで加工された乳製品が中国の乳清を含んでいても、消費者は一切知らないのです。

司会者:中国から輸入した乳製品やタンパク製品は、何に使われていますか?

高大維 博士――前华南理工大学轻工食品学院院长へのインタービュー 

高博士: ええ、その用途は広いです。つまり乳製品です。そして乳製品を含む物やその種のタンパク製品。これには大豆やトウモロコシ、穀物から抽出される植物性タンパクも含まれます。これらは。添加物や食品原料として使われています。その用途は広いです。

当時、この食品と言えば、パン製品に使われました。つまり、アメリカ各地で見られるベーカリー。アメリカ人の大好物の焼きたてパンやケーキ、クッキーなどです。パンにはミルクを含む物や乳製品、乳清といった多くの原料が使われているのです。

司会者:これらが中国産である可能性が高いのはなぜ?

高博士:実は、このような原料はどの都市にもあります。流通業者つまり卸や販売のメーカーは。車で品物の補充や配達を定期的にします。郵便局員のように街の隅々まで把握し、配達や補充をするんです。

これら卸売メーカーはその原料を輸入業者から買います。アメリカ本土産もあるでしょうが、価格や利益の追求のため、たいていはこのような比較的安い原料を選びます。もちろん、安い原料と言えば、大部分はメード・イン・チャイナです。

他には、飲み物、つまりミルク入りの飲み物、それから栄養補助食品、ミルクチョコレートなどにも入っています。これらには、必ずミルクやタンパク質の添加物が使われます。

さらには誰もが食べるあのアイスクリーム。このアイスクリームは、砂糖、粉ミルク、生クリームなどを混ぜて冷やして固めたものですが、これには、ミルクを含むこの種の添加物が使われます。しかも大量に使われるのです。さらには、アメリカ人が好む朝食の一品、コーンフレークやインスタントの粉。これもグルテンや粉ミルク、そして乳清が入っています。

言うまでもありませんが、あともう1つ。これはどの都市にもほぼ見られるサプリメント・ショップです。つまり、ビタミンサプリや栄養食品を専門に販売しているお店です。

これらの商品は、例えば有名ブランド品のようにアメリカやその他の国で加工されたものもありますが、中には直接中国から輸入したものもあります。

司会者:かつて、栄養ドリンクで有名なメーカーに電話で「アメリカ製と書かれていますが、蛋白質や乳製品などの成分の原料は、どこから来ているのです?」と尋ねました。「すべてカナダ、アメリカ、オーストラリアから」という答えでした。さらに、メーカー側は「中国産の原料はない」とも強調しました。では、これは全く問題がなく、中国産を含まないと言い切れます?

高博士:言い切れません

司会者:なぜです?

高博士:これは絶対言い切れません。私から見れば、食品添加物はたくさんあります。世界には多国籍の販売メーカーや合弁メーカーが多いですが、オーストラリアや、カナダ、そしてアメリカなど、この種の多国籍企業はどこにでもあります。

これらの企業は時に販売を手がけ、また時には工場も持ちます。この工場が中国との合弁というケースはよくあります。すると本社のあるカナダやオーストラリアなど、本社の名義で商品を売り、世界へ販売します。企業側は買い手に生産工場の場所を伝えないでしょう。直接「中国製か?」と聞かない限りは。通常は、製品がどこで作られたかを教えてはくれません。

だから、この種のケースは100%の保証はできません。ただ、こうは言えます。カナダに会社があるから、絶対にカナダ製のものだけを売る、ということではないのです。

司会者:たとえメーカー側が、「カナダやオーストラリア製の原料を使っている」と答えても、中国製のは含まれていないとは確認できない、オーストラリアの工場でも、一部は中国製かもしれない、ということですか?

高博士:ええ。私の「未来健康会社」では、時にこのような食品の原料や高級化粧品の原料を使います。うちの仕入れ先はみなアメリカで、しかも大会社です。しかし、その技術部署の責任者やエンジニアとの話の中で気づくのですが、その十中八九は中国に合弁会社があるのです。

一部原料の生産、あるいは人手や資源を比較的必要とする工程は大体、中国やアジアといった地域に担わせているのです。

司会者:では、どんなものが中国で生産されていると?

例を挙げましょう。ペプシや清涼飲料水、そしてパンやケーキには(キサンタンガムという)一種の増粘剤(ぞうねんざい)が使われています。この増粘剤の販売メーカ―はメリーランド州にあります。でも彼らに詳しく話を聞くと、こんなからくりに気付きます。その生産工場は実は広東の江門にあるのです。中国本土の街です。つまり、メーカーの発酵拠点はそこなのです。

米国消費者連合 マイケル・ハンセン氏へのインタービュー

マイケル・ハンセン氏:アメリカのFDAとや薬物管理局が行動したが、たいした進展はなし。中国から直接来た製品に的を絞ったため、実は、乳製品は他国で別の乳製品に生まれ変わり、アメリカに送られる。これが「転送」。メーカーは、この抜け道を利用する。一部粉ミルクが米国政府の検査で陽性と出たが、各社はその成分が中国製でないと説明できるのか? 汚染には2パターンがある。1、米国で製造中の汚染。2、牛が汚染飼料を食べたか、中国製の原材料を使った場合。でも真の問題は、これら食品添加物はアメリカ国外から来たのか?もし答えがイエスならば、恐らく第三国の添加物が含まれている可能性があり、実際には中国産なのである。

司会者:今の問題は、「アメリカ人が普段口にする物の大部分は、中国製のグルテンと乳製品の原料を含むから、危険食品になってしまったのか?」ということです。通常、これを断言できません。

でも、中国で乳製品などへのメラミン汚染が幅広く見られるのなら、安心はできません。中国でメラミンは、乳製品、グルテン、家畜飼料を通じ、中国人の食物連鎖へと入って行ったのです。

タイトル:「蛋白精」の秘密

中国の毒粉ミルク事件で、一躍有名になった「メラミン」。窒素含有量の高さが悪用され、粉ミルクの蛋白質に化けました。すると生産コストは大幅に減少。しかし、事件発覚後、中国政府は粉ミルクと液状ミルクにしか系統だった検査をしませんでした。

メラミンが悪用されたのは、これが食品中の蛋白質に化けるため。では、その他の食品中に使われたのでは?これは当然の疑問です。不幸なことに、その答えは「イエス」。 

これは、中国最大の検索エンジン、百度(バイドゥ)。ここに「蛋白精」と入力すると、76ページもの検索結果が出てきます。最近、その内の蛋白精の販売サイトは最近削除されました。残るは写真のみ。では、この正体とは?姿を消した理由とは一体? 

中国農業部の公式サイトでは、「蛋白精」はこう定義されます。「メラミン(やヒドロキシメチル)などの工業廃棄物を原料に生産された、非タンパク窒素飼料添加物。農業部未許可の不法な飼料添加物で、いかなる飼料にも使ってはならない

11月12日、ワシントン・ポストは、「中国メラミンのネット販売を追跡」との記事を載せました。

「ここ数週間で、卵や動物飼料からも毒素が検出された。結果、『汚染は乳製品をはるかに超えるのでは?』との社会不安を招いた。山東省の動物飼料(の大)メーカー、「六和集団」の(工場の)販売部主任は「9月以前は、私の知る限り、弊社を含め、ほぼどの飼料メーカーも添加していた。」

米国消費者連合:マイケル・ハンセン氏へのインタービュー:

マイケル・ハンセン氏:中国でミルク汚染が始まったのはいつか?断言できないが、ペット死亡事件で知られるようになった。もうあれから何年も経つ。これは経済問題だから…メラミンや類似物が使われても、偽の蛋白質なので、簡単な検査はだませる。

高博士:実は私の友達には、蛋白質・蛋白質製品の専門家がいます。記者の取材を受けた際絶妙な回答をしました。知り合いの蛋白質製品の専門家は、記者の取材に絶妙な回答をしました。「メラミンは誰が作ったのか?」のと問いに、「誰が作ったのでもない。これは、ドイツの科学者が合成した一種の高分子原料」と答えました。「最初に中国食品へ添加したのは誰?」と問われると、彼は「具体的には分からない。でもだが、1997年アメリカでペット死亡事件が起きた際こると、アメリカのFDAは中国まで来て、江蘇省にある蛋白精の専門工場、安営生物技術開発有限会社を調査した。結果、この工場は、自家蛋白精を生産のほかにするほか、メラミンのその廃棄物も公に買い付けていたことが分かった販売していた」と彼は答えました。

中国ではメラミンは、毎年約60、70トンの在庫があります。4トンの尿素からは、1トンのメラミンが合成できます。出来るから、したがって完成品を取り除いた後生産後には3トンの廃棄物が生じます。つまり70トン在庫があるとすればれば、おおよそメラミンの廃棄物は200トンほどになります。

では、これらは一体どこへ行ったのでしょう?私の調べによると、4、5年前から本来埋蔵処分されるべき廃棄物が1トン当たり数100元で売られています。

こんな例さえあります。山東省のとあるメラミン工場は、飼料業者から殺到した注文をさばくため、地下に埋めておいたメラミンを再び掘り出して飼料として売りました。

では、使用が始まった具体的な時期とはいつでしょう?この知人はこんな風に答えました。「FDAと中国当局、双方から処分を受けた、この江蘇省の安営生物国際工場は1995年に、生産開始の登記申請をした」と彼は言います。

司会者:つまり、メラミンはその頃から飼料に入れられた?

高博士:ええ。では時間をさかのぼってみましょう。1995年、ある農民が起業したが作った会社の技術はどこから来たのでしょうか?当然これは……。技術がどこから来たのかは分かります。つまり、もしも1995年から飼料業界に侵入し入りこんだならば、もう15年にもなります、15年ですよ…

これはアメリカのあるシンポジウムで、会場の方が語ってくれた言葉です。「中国の友人によれば、飼料へのメラミン添加は大っぴらにやっているというより、もう業界の決まりごとになった。で、これを添加しないとダメなようだ。」

つまり、関係者はもうかれこれ10数年になることを知っています。つまり添加されてすでに10数年です。この10数年の間、トリやアヒル、魚、エビ、カニ、すべての水産飼料、家畜飼料や化学肥料に対して、この毒物が使われ続けたのです。どれもメラミンを含んでします。

そして、この鳥やアヒル、魚や牛羊、さらに家畜や魚介類の体内に残留するメラミンは誰が食べるのでしょう?人が食べるわけです。飼料にメラミンが混入しているなら・・・この汚染飼料などで育った家畜、野菜、魚介類はが食物連鎖に入りますが・・・この汚染は想像を絶するほど、広がっています。 

これはもう10数年になりますから。しかも業界ぐるみです。例を挙げます。ここまで行くと業者も何とも思わなくなります。大連のある養殖メーカーは、香港に卵やトリを輸出するため、専門に養鶏をしていますが、養殖メーカーは

9月には、メーカー側もこの卵にメラミンが混入していることのに気づいていました。そのずっと以前に気付いていても、当時は意識しなかったかもしれない。それ以前は分かりませんが、でも9月の毒ミルク事件の時にはすでに・・・

司会者:暴かれましたね。

高博士:それでも公表しませんでした。内部報告は上がって来たのに。・・・つまり卵の深刻なメラミン汚染に気付いていても、黙って輸出を続けました。事件が暴かれても発生しても同様に何の対策も取らず、何ら行動せず東南アジアに輸出された卵の回収もしませんでした。

香港で検出されて、ようやく謝罪をしました。そこの従業員はみな「事件がなければそのまま通ったのに、ごまかせたのに」と口をそろえます。言います。ほぼ業界全部がこういうことに手を染めているからつまり、事件になったらつきがなかった、こんなずるがしこい考えなのです。

その卵ですが、卵の含有量が高いのはなぜでしょうか?トリの飼料には中のメラミンが含まれていますが、これは親ドリを通じ卵へと入って行くからです。

汚染飼料を通じてメラミンは人体に入り込みます。もし飼料にメラミンが含まれているならならば、中国人や中国が輸出した肉製品・卵製品を食べる輸入する国の人々は、15年間メラミンにさらされ続けたことになります。

つまり、大量で広範囲な複合汚染が起こったのです。もう収拾がつかないほど深刻な状態に陥っています。

司会者:この前、中国メディアは「政府はメラミン検査を厳しくし、牛や羊、肉類も検査したがほとんど、メラミンが検出されなかった」と報道しました。これは、どう見ます?

高博士:こうご説明しましょう。そうですね。このメラミン事件発覚後、暴かれた後、ごく一部の範囲でサンプル調査をしたのでしょう。例えば、化学工場で生産された汚染飼料や毒物を使うのをやめて、新たに家畜を育て始めると
数カ月後にはトリなどが・・・、もう育っているはずです。これらを成長したその家畜を検査すれば問題が出ないかもしれません。でも、あれほど大量のメラミンを蛋白精として生産する工場をとめられるのでしょうか?これがまず一点。

そして2点目・・・知り合いの専門家によると、メラミンは非タンパク質の窒素化合物ですが、このような効能を持つ窒素化合物は他にも沢山あるそうです。ります。ハハハ・・・

つまりメラミンの検出について言えば、メラミンを使わなくても、検査の精度が相変わらず低い場合・・・今の中国は、金まっしぐらですからね。道徳で自制することや法律の制約がない社会では、他の窒素化合物がメラミンにとって代わるのを否定できません。それはメラミンより毒性が低いかもしれないし、、ずっと高いかもしれません。

例えば、硫酸アミン。硫酸アミンは一種の窒素化合物です。これはケーキなどを素早く膨らませるのに使うふくらし粉、一種のふくらし粉(こ)です。

これも同様に、非タンパク質の窒素を含みます。この混入量が多ければ、癌を招くになる恐れがありますし、毒性はメラミンより強いかもしれません。だから、体制や制度、人心から解決する必要があるのです。一部地域の天然飼料で育てられた家畜で検査をしても、あてにはなりません。

しかも今、製品となった大量の飼料は・・・飼料のみならず、赤ん坊の死を招いた粉ミルクは、処理されたのでしょうか?中国では、多くの大学生がセールスマンとなり、これらを売りこんでいるそうです。

司会者:あの事件のメーカーのを?

高博士:事件を起こしたメーカーもそれも含めた各種メーカーのものを、依然として売り、いまだに被害を広げています。

司会者:つまり、事件発覚後もまだ…

高博士:ええ、依然として。これまで同様に売り込んでいるのです。これは、法律の制限を受けず、また道徳心で自制することもないためでしょう。

司会者:百度(バイドゥ)に残る蛋白精のページから、以下の内容を読むことが出来ます。
http://www.21food.cn/offerdetail/16392.html

「中国食品商務ネット」では、蛋白精305をこう紹介しています。「家畜や魚介類の飼料に広く使え、おからや魚粉など(高タンパク原料)の代用になる。単独で使え、飼料1トン当たり、コストを15~80元抑えられる。安全で無毒、経済効果抜群。販売価格は、1トン当たり2290元。」

http://b2b.hc360.com/supplyself/38453398.html
慧聡ネットは、客の心をつかもうと、「蛋白精」の利点を克明に記しています。「『蛋白精』は工業窒素から化学合成して作った非タンパク窒素飼料で、窒素含有量は25.6~48%。これは、220~290%の蛋白質に相当する。

本商品は、反芻動物に最適。なぜなら、入手が容易で、生産量が高く、安価で効果てきめん。飼料耕作地で悩む必要もないから。飼料に加えても、化学検査では蛋白質としか出ず、判別されにくい。口どけが良く、鮮度が高い」。

http://www.35so.cn/detail.php?type=p&id=161594
ビジネス関連の検索サイトでは、「蛋白精」は生物中性タンパクに化けます。その紹介によると「生物中性タンパクは、新種のタンパク窒素飼料添加物で、有機アルデヒド、窒素、リンからなり、化学反応を経て、蛋白質のカロリーを持つようになる。また、反芻動物、非反芻動物の飼料に加える強化型飼料添加物として、適している。つまり、天然タンパク飼料の代わりになる、理想的な蛋白源である。」

中国の有名な新聞・南方日報の調査では、動物飼料へのメラミン添加は、もう業界の「公然の秘密」。目下、「蛋白精」の供給範囲は、飼料業界全体に及び、どの飼料にも、多かれ少なかれ「蛋白精」が混入しているのです。

中国南部は、蛋白精消費の主な市場です。特に、スッポンやウナギ。中国の食品安全基準の内、国際基準が占める割合はわずか23%。一方、1980年代初頭、イギリス、フランス、ドイツなどは、すでに8割以上で国際基準を導入していました。

次回の番組では、アメリカに入り込んだメラミンに焦点を当てます。

http://www.ntdtv.com/xtr/gb/2008/12/28/a239125.html#video (中国語)

 

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